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人間の脳は昔のまま
先日、話題のベストセラー新書『スマホ脳』を読み終えました。
著者はスェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンです。文章は非常に読みやすく専門用語も分かりやすく解説してくれているので一度読んで見ることをお勧めします。
タイトル通り、スマホの脳への影響を解説してくれています。特に狩猟をしていた時代の人間の脳の観点から解説してくれているのが特徴的で説得力があります。
本書を読む前は、人間の脳はロボットなどと違い複雑な処理をいくつもこなすことができるので、他の生き物より非常に優れ、デジタル社会に順応していると自負していました。
読み終えた結論としては、結局のところ僕たちの脳は狩猟していた時代からあまり変わっていない為デジタルな現代の生活に脳が適応できずに、ミスマッチを起こしてしまっているということです。
注意散漫
『スマホ脳』(以下、本書)によると僕たちの祖先が狩猟をし、敵に襲われる日々を送っていたために、様々な危険に対する反応が僕たちには備わっているようです。生きるか死ぬかの世界で生きていく思考の脳である為、現代の平穏な暮らしとはかけ離れているとのことです。
常に周囲を確認し、異常なほど活発で、すぐに他の事に気を取られる。
かつてはそんな性格のおかげで、危険を速やかに避けることができたのだ。
鬱は防御反応だった?
闘争か逃走か
外敵に囲まれていた僕たちの祖先は、『闘争か逃走か』という思考で判断して行動していました。行動までに脳→感情→行動というプロセスがあるそうです。
脳が危険を察知し、怖いという感情を命令すると僕たちは『逃げる』という行動をします。
現代社会において、危険とはストレスが主です。『人間関係や仕事など長期的なストレスにさらされている為、脳が負の感情を発生させ、引きこもるというストレスからの逃避行動を起こす』というのが本書に記してある内容です。
これが事実なら会社に行きたくないのも頷けますよね笑
興味深い研究結果
ここからは、本書で僕が興味深いと思った内容を抜粋して記述しています。
脳はおサボり
身体の他の部分と同じように、脳もエネルギーを節約し、できるだけ効率的に物事を進めようとする。
僕自身よく写真に撮って記録に残したりしますが、内容を覚えてないことがあります。大学時代もよく黒板の記述をスマホを使って写真を撮っていましたがほとんど内容を覚えてなかったですね。
脳が写真にあるから覚えなくてヨシ!と判断していたんでしょうね。
スマホは触らなくても影響力あり
本書を読んで一番衝撃を受けた内容です。
スマホを触らなかったら大丈夫だと思っていましたが、本書によるとスマホが近くにあるだけで注意力がスマホに向けられてしまい脳の機能を阻害しているようです。
なので集中する時や寝る前には別室や離れた所にスマホを置いた方が良いそうです。
寝る前のスマホとブルーライト
ブルーライトの影響って4、5年前から騒がれていましたが、僕はあまり信用していませんでした。眼鏡屋の陰謀かと疑っていました汗
本書によれば、夜になるとメラトニンと言われるホルモンが分泌されて身体が夜だと認識するようです。
ブルーライトにはメラトニンの分泌を抑制する効果があり、メラトニンの分泌量が減るので身体が日中だと誤認します。その結果、夜なのに寝付けないことになってしまいます。
スマホの影響への対策
iPhone 利用時間の設定
本書の後半に著者から『デジタル時代のアドバイス』が記されています。項目の一つに『自分のスマホ利用時間を知ろう』というのがあるのでやってみました。
本書ではアプリによる管理を推奨していましたが、iPhoneにスマホ利用時間管理の機能があるので今回設定しました。
設定→スクリーンタイムへ進みます。
「スクリーンタイムをオンにする」でオンにします。
自分用かお子様用か選択します。
週単位や日単位で利用時間を見ることができます。そして、利用時間に制限をかけることもできるようです。
4 まとめ|『スマホ脳』を読んでみて
スマホの脳への影響について漠然と良くないと思っていましたが、本書を読むことでなぜ良くないのかを論理的に理解することができました。またアドバイスも記載されているので参考にしてスマホを活用していこうと思いました。鬱症状や寝不足の方にも一読することを勧めます。